9.11以後の監視
ディビッド・ライアン『9・11以後の監視』を読む。最近の監視テクノロジーの展望としては一定の評価ができるのだろうけれども監視のグローバル化に対応するには、国家の強化あるいは別な組織の統制強化、という手段しかない、と読めるが、これは真実だけれども面白みには欠ける。論点は自由の追求ないし自由の確保がセキュリティ強化=監視強化につながるという側面にあるわけだが、この論点が本書で突き詰められているとは思えない。もう少し面白い著作だと思ったのだが。別な視点(どちらかというと監視が自由を拘束する観)からならば、斉藤貴男氏の『安心のファッシズム』の方が日本の監視テクノロジーの説明については参照に便利かもしれない。
- 作者: ディヴィッド・ライアン,田島泰彦,清水知子
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2004/09/17
- メディア: 単行本
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